バッテリー性能の比較を追記いたしました。
本日11日、アップルから新型「MacBook Air(Mid 2013)」の販売が開始されました。早速、家電量販店にて13インチ・128GBモデルを入手しましたので、2012年モデルの「MacBook Air 13インチ・128GBモデル(Mid 2012)」と外観やベンチマークスコアを比較したいと思います。なお、どちらのモデルも店頭販売の標準構成モデルになります。
MacBook Air(Mid 2013) | MacBook Air(Mid 2012) | |
OS | OS X 10.8.4 | OS X 10.8.4 |
CPU | Intel Core i5 1.3GHz(Haswell) | Intel Core i5 1.8GHz(Ivy Bridge) |
GPU | Intel HD Graphics 5000 | Intel HD Graphics 4000 |
メモリ | 4GB | 4GB |
ストレージ容量 | SSD 128GB | SSD 128GB |
販売価格 | 10万8800円 | 10万2800円 |
今回比較する2台のスペック表
主要スペック表を見る限り、大きく違う点はCPU。インテルの第4世代Core iプロセッサ(コード:Haswell)を搭載しており、CPUの世代としては1つ違う形になります。一方で、CPUの駆動周波数が1.3GHzと、抑えめになっているところは注目点の1つ。この辺りがベンチマーク結果にどの程度の影響を与えるのか注目されます。
内蔵GPUはIntel HD Graphics 5000を搭載。こちらは内蔵GPUのグレードが3つ分けられているうちの最上級グレード「GT3」に相当します。
まずは、わずかに存在する外観の違いをご紹介しつつ、ベンチマーク結果を掲載します。
外観
MacBook Air(Mid 2013)とMacBook Air(Mid 2012)はデザイン・本体サイズ・本体重量ともに変化はありませんので、両者に外観上の違いはほとんどありません。唯一違いがあるとすれば、本体左側のマイク穴の形状が変化したことです。MacBook Air(Mid 2013)はデュアルマイクを搭載しているので、本体左側にマイク用の穴が2つあけられています。
上がMacBook Air(Mid 2013)、下がMacBook Air(Mid 2012)
いずれの写真も
上がMacBook Air(Mid 2013)、下がMacBook Air(Mid 2012)
いずれの写真も
写真内・右がMacBook Air(Mid 2013)、左がMacBook Air(Mid 2012)
ベンチマーク結果
GeekBench 2.4.3 32bitでのベンチマークスコア
MacBook Air(Mid 2013) | MacBook Air(Mid 2012) | |
総合スコア | 6013 | 6128 |
Integre | 4180 | 4413 |
Floating Point | 8053 | 8050 |
Memory | 5720 | 5822 |
Stream | 5875 | 6023 |
GeekBench 2.4.3 32bitの結果では、MacBook Air(Mid 2013)はMacBook Air(Mid 2012)に比べて総合スコアがわずかながらに低下しています。
整数演算(Integre)のスコアが最も減少したことを考慮すると、CPU世代が新しくなったとはいえ、駆動周波数が前モデルよりも減少していることが影響しているものと推測されます(1.8GHz→1.3GHz)。しかし、駆動周波数が抑えられている割にはかなり善戦しているとも考えられ、このような違いがシステム全体の低消費電力化に影響してきます。
Xbench v1.3でのベンチマークスコア
MacBook Air(Mid 2013) | MacBook Air(Mid 2012) | |
総合スコア | 223.79 | 299.23 |
CPU Test | 201.97 | 225.65 |
Memory Test | 519.59 | 555.54 |
Quartz Graphic Test | 335.48 | 413.75 |
OpenGL Graphic Test | 259.02 | 249.62 |
User Interface Test | 85.75 | 187.71 |
Disk Test | 698.40 | 483.24 |
Disk Testの詳細
MacBook Air(Mid 2013) | MacBook Air(Mid 2012) | |
Sequential Uncached Write 4k blocks | 524.94 MB/sec | 410.82 MB/sec |
Sequential Uncached Write 256k blocks | 363.38 MB/sec | 314.12 MB/sec |
Sequential Uncached Read 4k blocks | 65.72 MB/sec | 31.78 MB/sec |
Sequential Uncached Read 256k blocks | 439.66 MB/sec | 330.07 MB/sec |
Random Uncached Write 4k blocks | 140.68 MB/sec | 183.89 MB/sec |
Random Uncached Write 256k blocks | 345.02 MB/sec | 346.77 MB/sec |
Random Uncached Read 4k blocks | 23.76 MB/sec | 22.54 MB/sec |
Random Uncached Read 256k blocks | 274.25 MB/sec | 307.09 MB/sec |
Xbench v1.3では、MacBook Air(Mid 2013)がMacBook Air(Mid 2012)に比べ総合スコアで大きく差を付けられる結果となりました。
個別に見ていくと、「CPU Test」ではMid 2013のスコアがMid 2012に劣っていることがわかります。こちらもCPUの駆動周波数の差が大きく反映されたものと思われます。また「Memory Test」でもMid 2013はMid 2012に劣っています。
そしてグラフィックスの性能を示す「Quartz Graphic Test」の項目では、Mid 2013がMid 2012を下回り、「OpenGL Graphic Test」ではMid 2013がMid 2012を僅かながらに上回っています。Mid 2013はMid 2012に比べてグラフィック性能が40%向上していることがアピールされていますが、Quartz Graphic TestやOpenGL Graphic Testの結果を見る限り、Mid 2013のグラフィック性能が大幅に向上している印象はうけません。
一方、「Disk Test」ではMid 2013がMid 2012のスコアを大幅に上回っており、特にシーケンシャルリード、シーケンシャルライトでの大幅な性能向上が確認できます。Mid 2013のSSDはMid 2012のSSDから45%高速化したとうたわれており、その数字に嘘偽りなしといったところでしょうか。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間のテストでは、両機とも画面の明るさ最大で音量OFFにし、Chromeブラウザ上でニコニコ動画にアップロードされた「解像度3840×2160ドット 120fps 動画ビットレート7000kbps 音声192kbps」の動画をループ再生し、計測しました。なお、MacBook Air(Mid 2012)は半年間モバイル環境にて使用しておりますので、ある程度バッテリーが消耗していることをさし引いて参考程度にご覧ください。
残量 | 90% | 80% | 70% | 60% | 50% | 40% | 30% | 20% | 10% | 電源off |
Mid 2013 |
25:02 | 41:09 | 56:50 | 1:13:03 | 1:28:22 | 1:44:00 | 1:57:42 | 2:12:50 | 2:26:05 | 2:44:31 |
Mid 2012 | 13:06 | 23:00 | 32:34 | 42:12 | 51:49 | 1:01:30 | 1:10:38 | 1:20:12 | 1:30:22 | 1:48:12 |
バッテリー残量(10%区切り)に達した時の使用時間比較
バッテリー駆動時間のテストでは、MacBook Air(Mid 2013)がMacBook Air(Mid 2012)比で152%を記録。新型MacBook Airでは「71%(7時間から12時間)」のバッテリー駆動時間の延長がうたわれていますが、その数値には届かないものの十二分なバッテリー性能の向上が図られていることが判明しました。
考察・まとめ
今回のベンチマークテストの結果からは、GeekBenchやXbenchの総合スコアにおいてMacBook Air(Mid 2013)はMacBook Air(Mid 2012)よりも若干スコアが低いことが確認されました。これは前述してきたように、Mid 2013のCPU駆動周波数が1.3GHzである一方、Mid 2012が1.8GHzと、大きく差がついていることによるものと推測されます。
なお、アピールされている「40%のグラフィック性能の向上」は、今回の結果からは確認できませんでした。ただし、OS X 10.8.4がMid 2013に搭載されているIntel HD Graphics 5000へ最適化されていない可能性も考えられ、今後のアップデートや「OS X 10.9」において最適化がおこなわれる可能性もあります。
一方、Mid 2013のストレージ性能は目を見張る性能向上を遂げました。アップルは、ストレージ性能が前モデルから45%向上していると公表していますが、Xbenchのスコアでも実際に45%のストレージ性能の向上が確認できました。ストレージの速さは日常使用での快適性に直結する要素であるため、アップルはストレージ性能の向上をMid 2013の重要課題と位置づけているのかもしれません。
今回、残念ながらCPUやGPUの処理速度の向上は確認できなかったものの、ストレージ性能やバッテリーの持続時間(7時間から12時間に延長)など、普段使っていて気になるポイントが重点的に改善されたモデルであることがわかります。日々、MacBook Airを手放せない人にとっては、買いの1台であると著者は感じました。
[Apple]
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