日本経済新聞は17日、NECがスマートフォン事業から撤退する方針であると報じています。中国レノボとの携帯電話事業の統合交渉が決裂し、スマートフォンによる事業改善の見通しが立たなくなったためであるとしています。今後は同事業の大幅縮小に加え、従来型の携帯電話に特化し、収益の改善を図るとのこと。
画像は「MEDIAS W N-05E」
かつては国内最大手を誇ったNECの携帯電話でしたが、スマートフォンの登場で、国内シェアは27%から5%にまで落ち込んでいました。現在、事業規模が年2600億円程度なのに対して約600億円の債務超過を抱えており、事業継続には大幅なテコ入れが必須となっていました。その対応策として、パソコン事業でも統合を行ったレノボとの交渉に臨みましたが、NECが希望するレノボの過半出資に合意が得られず、統合は見送られることになりました。
さらに今夏、NTTドコモが、ソニーとサムスンのスマートフォンを優遇する「ツートップ戦略」を実施し、NECカシオの事業改善が見通せなくなりました。ドコモの施策が、パナソニックに続き、NECカシオにもとどめを刺したと言える形になります。
NECカシオのスマートフォンと言えば、極薄・軽量で人気を博した「MEDIAS」シリーズや、カシオブランドのタフネス端末「G’zOne」シリーズが有名ですが、今後両シリーズのスマートフォンが見られなくなると思うと、寂しさを感じざるを得ません。
これで、残る国内メーカーは富士通・シャープ・ソニー・京セラの4社となりますが、国内外で圧倒的なシェアを誇る米国アップルや、韓国サムスンとの激しい競争の中で生き残ることはできるのでしょうか。端末のスペックが横並びになりつつある今、より工夫をこらし、各社の強みを体現した特徴のある製品を開発できるかどうかが争点となりそうです。
[日本経済新聞]
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