ブルームバーグは10日(米国時間)、米アップルが、2014年下半期にも発売される次期iPhone(通称:iPhone 6)に現在よりも大型の曲面ガラスパネルを採用すると伝えています。さらに、それ以降に発売される2世代以上先のiPhone(通称:iPhone 6s)には、筆圧を感知できるタッチパネルを搭載する計画であるとのことです。

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画像はコンセプト

iPhone 6は2種類の大型曲面ディスプレイ搭載へ

計画に詳しい匿名の情報筋から寄せられた情報によると、アップルは来年の第3四半期(7~10月)に2種類の新型iPhoneを発売する予定。現行モデルより大型となる4.7インチと5.5インチの2サイズの曲面ディスプレイを展開するとされており、サムスンの「GALAXY Note 3」などファブレットに近いジャンルに位置付けられると思われます。

曲面の大型ディスプレイを搭載するスマートフォンといえば、サムスンやLGが先月に発表した「GALAXY Round」や「G Flex」がありますが、アップルが計画しているのはこれらの製品とは違い「凸型」の曲面ディスプレイ(端が下がっている形)であると情報筋は明かしています。

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左がGALAXY Round、右がG Flex

サムスンとLGの曲面スマートフォンは、画面に有機ELを使用しているため、画面を曲げる際の技術的障壁は比較的少ないと言われています。一方で、現行のiPhoneは液晶パネルを使用していますが、液晶パネルを曲げるには視認性の問題や、そもそもコストアップが避けられないことなど、不透明な点がいくつか存在します。ただし、液晶パネルを曲げる技術はシャープなどが特許を多数保有しており、製品化されていないものの技術的にはほぼ解決しているのかもしれません(※量産は不明)。

なお、2011年頃からアップルがiPhone向けに曲面ガラスの加工マシンを調達していると伝えられており、その頃からすでに曲面「液晶」ディスプレイに焦点を当てて設備投資を行っていた可能性があります。

筆圧を感知するタッチパネルはiPhone 6には載せず

さらにアップルは、将来のiPhoneに筆圧(圧力の強弱)を感知できる技術を導入するためのテストを繰り返しているとのことです。ただし、スマートフォンの筐体サイズに筆圧感知機能を搭載するのには技術的な障壁が大きく、同機能が搭載されたiPhoneは再来年以降にリリースされる見通し。

筆圧感知機能は、現在、タブレットの一部に搭載されており、線を描くときに強弱をつけることができるため、絵を描く際などに重宝されます。しかし、仮にiPhoneに筆圧感知機能が搭載されたとして、5インチサイズの画面で絵を描くことは考えにくく、新たな使い方が提案されない限りiPhoneに搭載すること自体に疑問符が付く状況です。

凸型曲面ディスプレイのメリットとデメリットは?

ところで筆者は、凸型の曲面ディスプレイには疑問を感じています。5インチ後半でかつ凸型となると、指の移動距離が平面および凹型よりも長くなるほか、通話などで顔に当てた際に邪魔になります。

加えて、iPhone 6s以降に筆圧感知機能が搭載されるならば、凸型はさらなるデメリットになります。凸面に物を書くのは非常にやりづらい作業であり、筆圧も安定しません(空き缶やペットボトルにペンで字を書くことを想像してみるとわかりやすいと思います)。

その一方で、凸型になることで強度が増すメリットも存在します。山を貫くトンネルのように、外からの圧力に対して凸にカーブすることで、強い力に対しても割れにくい構造になるといった具合です。

このように、全体に丸い凸面の画面にするとメリットよりデメリットが優勢になってしまいます。よって、曲面といっても端のほうだけか、もしくは上の想像図よりもかなり緩やかなものになると考えられます。

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これはぐるっと1周画面でおおわれているiPhoneのコンセプトだが、現実的にはこんな感じかもしれない。
ただしこれだと、強度云々のメリットはない。

来年以降に新ジャンルの製品が登場か

現行の4インチサイズを支持する声も大きいことや、製造コスト上昇による価格の問題から、アップルは「これまで通りのiPhone」を今後も展開すると考えられます。一方で、4インチのiPhoneと8インチのiPad miniの間を埋める製品を投入することは非常に理に適っており、5インチ強のファブレット端末が登場する可能性は十分にあるといえます。

また、アップルのCEOを務めるティム・クック氏が2014年に革新的な新製品を発表すると述べていることから、新しいジャンルのiOS端末が登場してもおかしくありません。

iPhoneをはじめとする既存のスマートフォンは既に「円熟期」に到達しています。スペックは年々向上しているものの、対する進化は小幅にとどまり、スマートフォンは一定のところに収束しつつあります。

停滞気味のスマートフォンの進化スピードをハードウェアの形状変化で再び加速させることができるのか。市場への大きな影響力を持つアップルがどのような製品を出してくるのか注目です。

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