米グーグルは15日(現地時間)、Webブラウザー「Google Chrome」の最新版(32.0.1700.76)をリリースしました。
主な新機能は3つ。
- 「音が鳴っている」「カメラを使用している」などの状態をタブに表示する機能
- ダウンロードしたファイルのセキュリティスキャン機能
- Windows 8モード(ストアアプリ動作)時のUI刷新
1つめの機能については、昨年11月にベータ版に追加されていたものが、遂に正式版でも利用できるようになりました。ブラウザーのタブを大量に開いているとき、どのタブから音が鳴っているのかは判別しにくいといった場合に便利な機能です。動画サイトをタブにストックしておいたときなど、バックグラウンドで音が鳴り始めてしまった場合に、即、原因となるタブを特定できるため、地味ながらも役に立つ機能かもしれません。
2つ目の機能は、米マイクロソフトのInternet Explorerに搭載されているSmart Screen機能のように、ダウンロードしたファイルがマルウェアでないかどうかを検査してくれるもの。コンピューターにはセキュリティ対策ソフトが入っているのが望ましいですが、そうではない場合のためにも今回の対応は非常に喜ばしいものです。
そして注目は3つ目の機能。Windows 8/8.1 においてGoogle Chromeを「既定のブラウザー」にした場合、Windows 8モードでChromeを起動することができます(いわゆるモダンUI)。(注:その代わり、モダンUI版 Internet Explorerは使えなくなる。)
すると、これまでの「単なる全画面モード」ではなく、Windowsデスクトップのようなタスクバー(とピン止めされたアイコン)・スタートメニューのようなアプリランチャーを備え、さらにマルチウィンドウに対応したUIに出会います。その見た目はあたかも「Chrome OS」がWindows 8に入りこんだかのよう。
Windows 8モードのChrome。YouTubeのタブで音が鳴っているのがわかる。
Chrome OSは単体では配布されておらず、使用するには各社から販売されている「Chromebook」を購入するしかないのが現状です。しかし、今回のアップデートによりWindows 8以降を搭載したパソコンから操作を擬似体験できるようになりました。Chrome OSが気になる方は、是非一度試してみてはいかがでしょうか。ただし、本来のChrome OSにあるようなファイル操作機能などはついていないことには注意が必要です。
ChromeのWindows 8モードにおける新しいUIは、全画面でのタッチ操作を前提とするWindows 8のストアアプリの概念と相反するもの。タッチUIのために作られたアーキテクチャで擬似的なデスクトップを作り上げる…。グーグルがマイクロソフトに挑戦状を送ったといっても過言ではないと筆者は感じました。
[Google Chrome Blog via The VERGE]
コメント
コメントを投稿した際には、コメント機能利用規約(ガイドライン)に同意したものとみなされます
主要ニュースサイトなどの「許可サイト」以外のURLを含む投稿はコメントが保留されます