国内ではiPhone 5sのSIMフリー版公式販売をきっかけに、SIMフリーが盛り上がりをみせています。そんな中、楽天の子会社であるフュージョン・コミュニケーションズ社は、今月20日から、初期費用が0円になるキャンペーンを開始しました。
MVNO SIMは格安運用できるとはいえ、初期費用が4,000円近くかかってしまえば台無し。それが無料となれば、「とりあえず、まずは試してみる」という選択肢も十分にアリです。
格安SIMは中古端末や、コストパフォーマンスの良い端末と組み合わせることで真価を発揮します。そこで、ガジェット界隈でちょっとした話題になっている、1万2800円の激安SIMフリースマートフォン「Freetel」と組み合わせて、どの程度運用できるのか試してみました。
このFreetelは国内メーカーが販売しており、技適もしっかり通過済み。SIMフリー端末らしからぬポップな「ピンク」「グリーン」などのカラーがあるのもポイントで、マニアック路線とは趣が異なります。
さらに、日本メーカーならではの “おもてなし” が随所に加えられており、スマートフォンにあまり詳しくないユーザーでも安心して利用出来るところが注目されているようです。
そんなこともあってか、都内ではヨドバシカメラやビックカメラなどの量販店でも販売されており、MVNOの格安SIMカードを利用するユーザーが増えている気配を感じざるを得ません。
Freetelは、MVNO利用時にテザリングが出来る点も大きなポイントの一つ。NTTドコモが販売する端末の白ロムは、MVNO利用時にテザリングにロックが掛かってしまいますが、完全SIMフリーのFreetelならばその心配がありません。まさにMVNOとの相性がピッタリともいえる端末です。
初期費用0円のキャンペーンついに開始!
冒頭で触れましたが、楽天ブロードバンドLTEで待望のキャンペーンが始まりました。初期費用4,200円が0円になる “神キャンペーン” は、今月30日午前9時59分までの期間限定です。
MVNOを検討しているすべてのユーザーにお得といえるキャンペーンですが、普段ガラケー(フィーチャーフォン)をメインで使っていて、MVNOの格安SIMでスマホ運用を検討している方にとっても決断の機会といっても過言ではありません。
一般的に、ガラケーがメインのユーザーにとって、スマートフォンの魅力ポイントとして挙げられるのが「Googleマップ」「テザリング」「LINE」「電子メール」の4つ。それらをしっかりカバーできるFreetelと組み合わせれば、初期費用0円かつ月額900円台~2,000円前後でスマホを運用出来てしまうのです。毎月7,000円近い料金を支払う必要がないのはとっても魅力的。
エントリープラスプラン | ライトプラスプラン | |
月額料金 | 945円 キャンペーン適用で利用開始月0円 |
1,960円 キャンペーン適用で利用開始月0円 |
初期費用 | キャンペーン適用で0円 (通常4,200円) |
キャンペーン適用で0円 (通常4,200円) |
高速通信容量 | 500MB/月まで | 2.0GB/月まで (但し連続した3日間で183MBまでの制限あり) |
容量超過時の通信速度 | 最大256kbps | 最大256kbps |
提供SIMカード | 1枚(標準/micro/nanoから選択) | 1枚(標準/micro/nanoから選択) |
容量追加オプション | なし | なし |
※キャンペーンの詳細・実施時期については変わる事がある為、楽天ブロードバンドLTEの公式サイトをご覧ください。
テザリングをメインに使う人は毎月2.0GBまで使える「ライトプラスプラン」がオススメで、GoogleマップやLINEをメインにする人は「エントリープラスプラン」が良いかもしれません。万が一、上限に達してしまった場合でも最大256kbpsで通信できるので、GoogleマップやLINE程度であれば問題なく利用できます。
楽天ブロードバンドLTE×Freetelを試す
今回購入したのはFreetelらしい(!?)グリーン色。一般的なスマートフォンと変わらない箱ですが、1万2800円という値段を考えると豪華すぎるほどの化粧箱かもしれません。
主な梱包内容は左記画像。この他にもスタートアップガイドが付属しており、イラストに沿って進めていけばカンタンに使えるようになっています。
対応するSIMカードは「標準SIM」サイズ。現在は「標準」「micro」「nano」の3種類が流通していますが、その中でも一番大きなものです。
SIMスロットはデュアル仕様となっているのも特徴で、国内用のSIMカードをスロット1に挿しながら、スロット2には現地のSIMカードを挿すといった使い方も出来ます。ただし、スロット2はGSM専用ですので、国内MVNO業者のSIMカードを2枚挿すといった利用方法が出来ない点には注意が必要です。
白ケーブルがFreetel付属の専用ケーブル 2mm程度長い
Freetelで一つだけ注意する点があるとすれば、USB充電器が特殊形状である点。通常のmicroUSBよりも2mm程度、端子部分が長くなっており、他の端末で利用しているmicroUSBケーブルを挿入しても奥まで届きません。
海外渡航の際には出来る限りケーブルを共通化したいのでこの点は痛いところ。ただし、Freetelの特殊microUSBケーブルは他の端末でも利用できます。とはいえ、海外ではベッドサイドにコンセントが無いことも多いだけに、3m級のロングケーブルを常備している “旅行慣れ” した人も多いはず。その点において、ケーブルが1本増えてしまうのが残念なところです。
なお、特殊ケーブルの予備は公式サイトからアクセスできるオンラインストアで販売されているので、そちらで購入しましょう。
上側のスロット1にSIMカードを差し込む。裏表と方向に注意。IC面が下になる。
まず初めにMVNO業者を設定しよう
わかりやすく、「MVNO業者の設定」と表現していますが、いわゆる「APN設定」のことです。Freetelは初めから数社のMVNO業者が登録されていますが、今回ご紹介する楽天ブロードバンドLTEは登録されていないので、サクッと登録する必要があります。
設定値は公式サイトにも書いてありますが、ここでは楽天ブロードバンドLTEの「エントリープラスプラン」をFreetelで利用するまでの設定方法をご紹介します。なおFreetelはLTE通信には非対応なので、3G端末用の「f1.mobile.ne.jp」をAPNに設定します。
名前 | 任意のわかりやすい名前「Rakuten LTE」など |
APN | f1.mobile.ne.jp |
ユーザー名 | 加入すると送付される「アカウントのお知らせ」を参照 |
パスワード | 加入すると送付される「アカウントのお知らせ」を参照 |
認証タイプ | PAPまたはCHAP |
正常に通信ができると、Wi-Fiがオフの状態でもインターネットに接続できます。それでは、実際にエントリープラスプランを利用した際の使い心地をご紹介します。
楽天ブロードバンドLTE×Freetelの使い心地は上々!
3G回線なのでLTE回線のようにサクサクとは行かないまでも、下り2Mbps~3Mbps程度は常に確保できていたのでストレス無くブラウジング出来ました。
上の動画はFreetelをテザリングモードにして実際にどの程度の速度でブラウジングできるのか試したもの。PC版のGGSOKU(ガジェット速報)は比較的容量が大きいページですが、なかなかの速度で読み込んでいます。LTE対応スマートフォンならさらに速いと思われるので、FreetelのLTE対応版がリリースされればさらに面白いことになるかもしれません。楽天ブロードバンドLTEはLTE通信に対応しているだけに、活かしきれないのが残念なところではあります。
次に「Googleマップ」の使い心地。1GHz駆動のシングルコア・512MB RAMということもあり、一体どれくらいのポテンシャルがあるのかと心配でしたが、思いのほかキビキビ動く印象。都内の渋谷周辺など、オブジェクトが多い場所でも地図としての機能をしっかり果たしてくれます。
もちろんナビとしても活用でき、施設検索から経路案内まで比較的スムーズに動きます。スマートフォンにおける地図の使い方として経路案内は欠かせないので、「1万2800円の端末+格安SIM」でこの機能は嬉しいもの。それはもう、ポータブルナビ市場も苦戦するわけです…。
Googleマップをビジネスなどでフル活用するとなると流石に高解像度端末が欲しくなりますが、1ヶ月に数回程度の使い方であれば不満になることは無いと思われます。
スマホ単体ならドコモの白ロムor中古という選択肢も
テザリングはあまり使わない!という方にとってオススメなのが「NTTドコモの白ロム・中古端末」という選択。楽天ブロードバンドLTEは、SIMロックを解除していないNTTドコモの端末に挿入するだけでそのまま使えてしまうので、プラス1万円程度を追加して「白ロムor中古端末を買う」という選択肢もあります。
スマートフォンのみの利用で完結するのであればこの使い方がオススメ。端末によってはLTE通信に対応していますし、デュアルコア・クアッドコア&高解像度端末が安価に入手できてしまいます。
価格.comの中古携帯プラザでカンタンに探す事ができる
例えば、2013年夏モデル(たった4~5ヶ月前)のAQUOS PHONE ZETA SH-06Eならば、中古でも新品同様の状態で2万4800円前後。冒頭で述べたようにテザリングこそできませんが、スマートフォン単体として使うのならば非常にオススメできる選択肢です。
ただし、「格安SIM+格安端末」で使うことで最良のコストパフォーマンスを発揮することは間違いものと思われます。どちらを採るか選べるのもMVNOならではの利点。コストパフォーマンスを重視する方は格安SIMフリー端末がオススメです。
MVNO普及で使い方も多様に
MVNOの格安SIMは激戦ともいえる状況を繰り広げていますが、今後は日本国内においても有名メーカーが直接SIMフリー端末を投入する可能性があるだけに、ますます目が離せない状況です。
MVNOと聞くと、「白ロム」「中古」「輸入端末」といった単語が思い浮かんでしまい、どうしてもハードルが高いように思えてしまいますが、今回取り扱ったFreetelは国内メーカーが販売する端末。全国の家電量販店で気軽に購入することが出来ます。
今回紹介したエントリープラスプランは月額945円から利用ができます。格安端末と組み合わせて、毎月の費用を抑えながら賢くスマートフォンを運用してみてはいかがでしょうか。
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