新シリーズ「先週のガジェット ―GGSOKU的まとめ」は、一週間のガジェットの話題を一通り振り返るとともに、ガジェット全般について広くディスカッションのできる場所として御提供致します。その目的から、ただまとめるのではなく、議論の種となる考察や筆者の見解も随時導入することを御理解下さい。
一週空いてしまいましたが、β2です。しかもこっそり “今週” から “先週” に。レイアウトを若干変更するとともに、少々内容も変更いたしました。ベータ版ですので、不安定なのはご了承くださいませ。
それではさっそく始めていきましょう!
目次
- まずは3行まとめ
- iOS ―iPhone6、iWatch、iOS-OSX統合
- Androidスマートフォン ―MWCに向けた情報が続々
- 第3のOS ―WPとBBはハイエンドへ、TizenにはSB
- 企業の動き・新サービス
まずは3行まとめ
Androidを中心に、24日から開催されるMWCに向けた情報が続々。iPhoneはやはり4.7インチになる可能性。WPは8.1で使い勝手や端末の性能がアップ。通信キャリア3社は、それぞれ気になる動き。ウェアラブルデバイスは健康指向?
iOS ―iPhone6、iWatch、iOS-OSX統合
iPhoneは4.7インチサイズの可能性大。ディスプレイには指紋センサーが内蔵され、ベゼルレスな端末になるとの噂が登場しました。iWatchは200人体制で開発されており、医学専門家などの起用も。一方でテレビ事業は縮小方向に。OS XとiOSは、間をとりもつような、あるいは統合される仕組みが登場するという噂が登場しました。
1.iPhone6
- バックライトが進化 ―iPhone6、6月に4.7インチサイズで登場か
- iPhone6、指紋センサー内蔵ディスプレイを搭載か ―GalaxyS5も
- iPhone6、9月に4.7インチと5.5インチの2モデルで発売か ―業界筋
(New iPhone – now upsized – set for release in September ―South China Morning Post)
iPhoneが大型化するのはほぼ確実視されていますね。バックライトの進化で薄型化・軽量化されるという情報が伝えられましたが、「薄型化よりバッテリーの向上を!」という声が多いようです。一方で、厚めのケースをつけたい人にとっては朗報かもしれません。
サムスンのGalaxy S5とともに、指紋センサーを内蔵したディスプレイが搭載されるという噂も。「指紋認証はやっぱりあったら便利」ということで、特にアプリのダウンロード時の使用は評判が良好。ディスプレイ内蔵は果たして便利か、はたまた嫌がられるか(保護シート的な意味で)。
なお、発売日は6月 or 9月のお決まりパターン。実際にはふたを開けてみなければわかりませんが、筆者的には9月と予想。ちなみに、4.7インチのほかに5.5インチのファブレットモデルの発売も継続して情報が流れています。
2.iWatch
- 米アップル、医学専門家ら続々起用で「iWatch」開発を本格化 ―「iPhone」6月発売説に疑問も
- 米アップル、iWatchを200人チームで開発
(Rumors, speculation and predictions for Apple’s iWatch, Healthbook ―mobi health news) - iWatchは心拍数や酸素濃度を測定か ―中国アナリスト
(iWatch May Use Optical Sensors to Measure Heart Rate and Oxygen Levels ―MacRumors)
発表が近づいているのか、iWatchに関する噂が増えてきました。各社が販売に苦戦しているスマートウォッチですが、アップルのキーワードは “医療” や “健康” ということになるのでしょうか。専門家の採用が進められているという情報や、心拍数や酸素濃度を測定するセンサーの搭載が噂されています。
3.Apple TV、iOS OSXの統合
- 新型Apple TVはまもなく? iOS7コード内に表記見つかる
- 米アップル、新型Apple TVを数ヶ月以内に発売する見通し ―壮大なテレビ計画は縮小へ?
(アップル、テレビ計画を縮小か ―ウォール・ストリート・ジャーナル) - iOSとOS Xは統合へ? ―アナリスト予測
(What if: Apple ‘iAnywhere’ would turn iOS devices into computers ―Cnet)
注目はiPhone iPad、そしてiWatchですが、数年来噂されている “テレビ” の情報も伝えられています。しかし、伝えられているのは新型Apple TVで、期待されている新カテゴリの製品ではありません。コンテンツの確保などに苦慮しており、壮大な計画はとん挫しつつある…のかもしれません。
気になるのはOS関連の噂。12インチ級iPadの登場で、MacとiOS端末の中間をとりもつ仕組みの登場が予測されています。
Androidスマートフォン ―MWCに向けた情報が続々
Androidは、今月末24日(現地時間)からスペイン・バルセロナで開催されるMWC(モバイル・ワールド・コングレス)に向けた情報が続々と飛び出しています。やはりその中心はスマートフォン。
1.Galaxy S5
- iPhone6、指紋センサー内蔵ディスプレイを搭載か ―GalaxyS5も
- Galaxy S5は高解像度なWQHD(2560×1440)とフルHD(1920×1080)の2モデル
(Two Samsung Galaxy S5 versions appear in AnTuTu database ―GSMArena) - サムスン、24日(現地時間)にGalaxy S5を発表へ―TouchWizは丸みをおびた新アイコン
(Samsung teases the power of 5 in new TouchWiz icons ―THE VERGE)
様々な憶測を呼んでいるGalaxy S5ですが、iPhoneと同様に語られたのは、指紋センサー内蔵ディスプレイの搭載。ベゼルレスにもなるとしており、話題を呼んでいます。iPhoneより先に登場するのはほぼ確実なため、その内容も気になるところ。
ディスプレイは既報通り、WQHDとフルHDの2モデル。金属筐体の噂はすっかりきかれなくなってしまいました。
もう一つの注目点は、独自UI(TouchWiz)の大幅刷新。丸みを帯びたアイコンなどが導入されるとみられており、Galaxy S5と同時に発表される見通しです。
2.Xperia Z2(Sirius)・Xperia G
- 未発表Xperia Gの画像がリーク
- Xperia Z2、4Kやスローモーション撮影対応か
(4k video and Timeshift video screenshots from the Sony D6503 Sirius ―XperiaBlog) - Xperia Z2の実機を撮影したものと思われる動画が流出
(「Xperia Z2」の実機動画が流出─新しいロックスクリーンなどを確認 ―リンゲルブルーメン)

Credit:digi-wo
注目はやっぱりXperia Z2。ソニー製スマートフォンの特徴(?)にもなっていた、広めのベゼルがついに変化を起こすかもしれません。流出した画像によれば、横のベゼルが狭くなっていることがわかります。
内容としては、ビデオ撮影の強化がされると伝えられています。ハードスペックに関しては、Xperia Z1からそれほど変化がなさそうです。
さらに、ミドルスペック端末とされている「Xperia G」と呼ばれる端末がリークしました。
3.気になるスマートフォン
- [訂正]HTC M8(HTC One 2)のレンダリング画像が登場
- ノキア、同社初のAndroid端末を今月末にリリースへ ―WSJ報道
- LG G Pro 2正式発表 ―光学式+ソフトウェア手ぶれ補正「OIS Plus」搭載
(LG’S NEWEST G SERIES DEVICE LG G PRO 2 UNVEILED IN KOREAN MARKET ―LG公式)
今月発表のスマートフォンはたっぷり。HTCの次期フラグシップ・スマートフォン「HTC One 2(HTC M8)」は、スペックは据え置きながら、カメラのさらなる向上が期待されています。
ノキアは噂のNormandy(Nokia X)が発表目前に。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたことで、その可能性が非常に大きくなりました。
LGは一足早く「LG G Pro 2」を発表。光学式手ぶれ補正にソフトウェアによる処理を加えて強化した「OIS Plus」が特徴。3GBのRAMや5.9インチフルHD(1920×1080ドット)ディスプレイを搭載。
第3のOS ―WPとBBはハイエンドへ、TizenにはSB
まもなく登場するとされる最新OS「Windows Phone 8.1」ですが、新機能や対応スペックなど、様々な点でAndroid端末に近づく見通しです。BlackBerryもハイスペックで復権を。Tizenにはソフトバンクがパートナーとして参加。Ubuntuでは端末の種類に関わらずでも同じアプリが使えるそうな。
1.Windows Phone
- WindowsPhoneとWindows両対応のアプリ登場へ ―OS統合の噂に拍車
- Windows Phone 8.1の詳細が明らかに ―2560×1440解像度に対応
(Windows Phone 8.1 taking on low and high specs with new display resolution support ―PhoneArena) - AndroidアプリがWindows端末で使用可能へ?
(Strange bedfellows: Microsoft could bring Android apps to Windows ―THE VERGE )
Windows Phone 8.1は、Androidに負けない使い勝手やスペック通知がついに実現されようとしています。通知センターや音声アシスタントが導入されるほか、2560×1440ドットへの対応も明らかに。今月末のMWCでは、Androidに負けず劣らずの端末がノキアから発表される見通しです。今年はソニー製WP端末が日本でも発売される機運が高まっているため、期待したいところ。
さらに、Windows PhoneとWindows RTは統合へむかうと見られています。OSが断片化するほど、アプリ確保や開発コストの意味では不利。そこで、マイクロソフトはまずアプリの統合から動き始めているようです。これが実現すればユーザーにとっても使えるアプリの増加が見込めるため、嬉しい動きといえそうです。
2.第4のOS
- 国内販売は…?64bit 8コアの新型BlackBerry 9月にリリース見込み
- ソフトバンクなど、Tizenパートナープログラムに参加
- Ubuntu、同じアプリをスマホ・タブレット・PCで動作
(Ubuntu convergence shown with the same app running on a phone, tablet, and PC ―PhoneArena)
AndroidやiPhoneの登場で窮地に追い込まれたBlackBerryも、ハイエンドへ。64bit対応のオクタコアプロセッサが搭載されるとのことですが、他のスペックはどうでしょうか。ディスプレイやメモリ、そして端末の使い勝手も気になるところ。再び注目を集めることはできるか否か。
Tizenのパートナーにはソフトバンクが参加表明。ZTEやBaiduといった中国系企業もその名を連ねています。NTTドコモからの発売は延期されてしまいましたが、Tizenの今後の動きや現状はやはり注目を集めているようです。ソフトバンクは「技術調査の一環として加入した」だけであるとも伝えられていますが、その真意は。
企業の動き・新サービス
今回のキーワードはずばり “お金”。au独自の決済機能「au WALLET」が登場するほか、総務省があらたな施策を検討・実施へ。通信料金の値下げはあるのでしょうか。
そして気になるのはWindows周り。米グーグルとVMwareの提携で、Windowsアプリが使えるように。これはマイクロソフトにとって大きな脅威かもしれません。
1.新サービス
- KDDI、ネットとリアルを繋ぐ決済機能「au WALLET」を発表
- 愛犬だって見守りたい!ドコモが「ペットフィット」を発表
- ChromebookでWindowsを ―Chrome OSにVMwareが対応
(VMware to Bring Traditional Windows Apps and Desktops to Chromebooks ―Google)
「au WALLET」は、auのサービス認証に使われてきた「au ID」をつかって、リアル店舗でも決済が利用できるサービス。MasterCardのシステムをそのまま利用できるため、導入時点で世界約3600万の加盟店で利用可能なのが特徴です。実際の使い勝手にもよりますが、au利用者にとってはとても便利なサービスになる可能性も。
ドコモの「ペットフィット」は、愛犬に専用の3G・GPS端末をつけ、健康管理や居場所の確認が出来るサービス。自分ら人間だけではなく、家族の一員であるペットの様子が気になるユーザーにとっては嬉しいサービスになるかもしれませんね。
ガジェッター的に注目なのは、Chrome OSのVMware対応。VMwareは、仮想的にOSを動かすソフトウェアで、ChromebookでWindowsアプリの使用が可能になります。未だ日本では登場していないChromebookですが、世界では徐々にシェアを広げています。その人気をさらに後押しするのに十分なポテンシャルをもつ今回の対応ですが、消費者の反応は如何に。
2.企業の動き
- 総務省、ついにNTTとドコモの「セット割」解禁を検討
- 通信料金引き下げなるか ―総務省、携帯電話事業者の電波利用料を引き下げ
(携帯料金引き下げも 事業者の負担軽減2割、年間110億円に ―msn産経ニュース) - 富士通、自社スマートフォン「ARROWS」を廃棄処分 ―在庫健全化
(2013年度第 3四半期決算説明会(IR)質疑応答議事録 ―富士通)
企業の動きとしては、ユーザーに直結する通信料金値下げに関する話題が多め。総務省が、NTTとドコモのセット割(光ファイバーとモバイル通信)の解禁を検討しているほか、各携帯キャリアが国に支払う電波使用料の値下げも決定。電波使用料に関しては、来年度(2014年度)からの提供のため、4月以降通信料金が安くなる可能性もありそうです。ただし、ここで注意が必要なのは、データ通信専門の「UQコミュニケーションズ」と「WCP」の2社の負担は重くなること。また、消費税増税も同時に施行されるため、実はそれほど安くならないのではないかというのが個人的な予想です。筆者としては、それ以前にキャッシュバックや端末の割引を通信料に回してほしいのですが、なかなかそうは進まないことでしょう。
スマートフォンの登場で撤退を余儀なくされた日本企業が多い中、ハイスペックをうりにして生き残ってきた富士通。しかしながら、やはり状況は芳しくなく、なんと自社端末の廃棄処分まで追い込まれているとのこと。在庫を処分し再スタートをきろうとしている富士通ですが、ARROWSはどの方向へ。かゆいところに手が届く、日本らしい端末の登場が期待されます。
3.Microsoft
- さらに便利に!SkyDrive改め「OneDrive」の画面がリーク
- 米マイクロソフト、iPad向けOfficeをまもなくリリースへ
(Microsoft Office on iPad: It’s alive and coming sooner than most think ―ZDNet) - Windows 9、ベータ版は5月、RC版は8~9月にリリースか
(Windows 9 to hit Beta in May of this year, Release Candidate close to September ―WinBeta)
先週特に多かったのは、マイクロソフトに関する情報。前述の通り、Windows Phone 8.1の話題やChromebookのWMware対応も気になるところではありますが、次世代Windowsについても情報が徐々に増えてきています。Windows 8.1で、”ラピッドリリース” をうたったマイクロソフトですが、次なるバージョンアップであるWindows 8.1 update1や、Windows9の登場も迫ってきているようです。Windows9は、早ければ今年中にも登場する可能性がありそうです。少なくとも発表は間近、か。
たびたび噂されてきたiPad向けOfficeですが、ついに間もなく登場する見通しであると伝えられています。その使い勝手によっては、Windowsタブレットの強みが一つ弱くなってしまう気もしますが、なんにせよユーザーにとっては嬉しいお知らせですね。
これで今回のGGSOKU的まとめは以上です。
MWCが間近であることを感じさせる一週間でした。開催までついに後一週間となりましたが、果たしてどんな面白い端末が登場するのでしょうか。注目です。
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※ちなみに、このGGSOKU的まとめシリーズはβ版です。今後、シリーズの内容変更や廃止が発生する可能性もありますので、その点はご了承ください。
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