米マイクロソフトは20日(現地時間)、ニューヨークで開催したSurfaceに関するメディアイベントにおいて「Surface Pro 3」を発表した。
発表に先立ち、3年前に「タブレットがラップトップPCを殺す」といった予測がされたが、実際は未だにMacBook Airを使い続ける人がいることを指摘。純粋なタブレット端末は入力デバイスとしては必要十分を満たさない現状を指摘した(※補足:受動的使い方と能動的使い方で賛否は別れるものと思われる)。
実際に、タブレット端末を求めて店頭に訪れた際に「ラップトップPCが必要であることを知る」といった事例を挙げ、タブレット端末が全てのコンシューマ向け需要を満たすわけではないことを強調した。
Surface Pro 3はIntel Core iシリーズのプロセッサを搭載しながら、9.1mmの厚さを実現。現行世代のSurface Pro 2よりも高速化している。重さは本体のみで約800g。
画面サイズは従来の10.6インチから12インチに拡大。解像度は2160×1440ドット表示に対応。同社はこの高精細ディスプレイを「ピクセルフリー(Pixel Free)」と呼んでいる。
発表会ではMacBook Air 13インチとSurface Pro 3を天秤にかけて重さを量ったデモが行われ、MacBook Airが重いことを強調した(ただし、Surfaceにはキーボードカバーは付いていない / 後ほどのデモでカバー付きでもMBAより軽いことが示された)。
画像を見る限りではCore i7のプロセッサが搭載されているように見受けられる(Core i3/i5モデルも存在する)。冷却ファンが中央に鎮座しており、低電圧とはいえ、PC向けプロセッサと同等のものを搭載することから排熱設計にもこだわりがあるのかもしれない。ファンレスについても検討されたとのことであるが、ファンレスには興味がなく、Surface Pro 3に搭載されている “30%も効率的” なファンを搭載することに決めた模様。
今回も筐体には「マグネシウム合金」を利用。従来のSurface Proなどと同様に金属の質感がSurface Pro 3でも踏襲されていることになる。
完全に刷新されたドッキングステーションでは、4Kビデオ出力に対応。ディスプレイは従来通り、タッチ・マウス・ペンによる入力に対応する。
発表の中では「PCと同様のハイパワー」であることがとにかく強調されており、3Dモデルを多様するリッチなアプリケーションや、アドビ社のPhotoshopをはじめとしたアプリケーションが軽快に動作することを何度も強調した。
発表会にはアドビ社のMichael Gough氏も登場し、Surfaceに最適化されたPhotoshopをリリースすることを明らかにした。画面を見る限りでは各種ボタンがタッチ操作に最適化されて拡大されており、ピンチなどのタッチ操作でキャンバスをカンタンに操作できるようになっている。
Surfaceで特徴的なキックスタンドは、第1段階として22度。つぎにキャンバスモードとして150度といった、ペン入力に最適な角度にすることも出来る。
タイプカバーは5色展開。従来のシアン色・パープル色・ブラック色・レッド色に加えて、ブルー色が加わった(正式なカラー名称は不明)。トラックパッドの面積は従来よりも68%も増加。
膝の上に置いた際の安定感も従来モデルより大幅UP。カバーまで含めた端末全体のサイズ感や折り返し部の存在で安定感が向上したとしている。
また、進化したスタイラスペンによる入力のデモも披露。NYTのクロスワードパズルアプリを用いて、手書き文字入力が従来よりも認識精度や書き易さの点で向上していることを示した。また、液晶ディスプレイとペン先の視差(カバーガラスなどの厚みによって生じるズレ)を極限まで減らしたことも特徴。
OneNoteを用いて、複数人とOneDriveを通じて共同編集することが可能だ。デモを見る限りではペン入力が極めて高性能(高精細)であるように見受けられる。会場の反応も極めて良い。
また、スピーカーは従来よりも40%強化されたとされているが、具体的な指標が何を示しているのかは不明。
とにかくSurface Pro 3のペン入力は「高性能さ」が強調されており、デモのライブ動画でもそれを見て取れるほどである。専用のノートアプリは “たった5ドル” で提供され、OneDriveにネイティブで保存できるなど、クラウドサービスとの親和性も高い。
デモでは背面カメラで撮影した画像に対してペン入力でレタッチを行うデモも披露された。
予約開始日は明日から(米国)。価格はCore i3バージョンで799ドル(約8万円)。日本を含む26カ国において8月下旬までに発売される。
モデル | 価格 |
Core i3 64GB 4GB RAM | 約8万円 |
Core i5 128GB 4GB RAM | 約10万円 |
Core i5 256GB 8GB RAM | 約13万1000円 |
Core i7 256GB 8GB RAM | 約15万6000円 |
Core i7 512GB 8GB RAM | 約19万7000円 |
アクセサリ名 | 価格 |
Surface Pro Type Cover | 約1万3100円 |
追加Surface Pen | 約5000円 |
追加36Wバッテリー | 約8100円 |
追加Pen Loop | 約500円 |
ドックステーション for Surface Pro 3 | 約2万円 |
イーサネットアダプター | 約4000円 |
搭載OS | Windows 8.1 Pro |
ディスプレイ | 12インチ ClearType Full HD Display タッチ操作対応 |
解像度 | 2160×1440 画角3:2 |
ペン入力 | 256段階入力 ペン付属 |
CPU | 第4世代 Core iプロセッサ i5-4300U (1.6GHz / TB時2.90GHz) Intel HD Graphics 4400 上記はCore i5モデルの場合 |
RAM | 4GB または 8GB |
内蔵ストレージ | 64GB / 128GB / 256GB / 512GB |
外部ストレージ | microSD対応 |
背面カメラ | 500万画素 |
前面カメラ | HD解像度対応 |
対応ネットワーク | Wi-Fi |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 LE |
端子類 | フルサイズ USB 3.0×1 Mini DisplayPort×1 ヘッドフォンジャック |
サイズ | 約201.4(H)×292.1(W)×9.1(T)mm |
重さ | 約800g |
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