サムスン電子は2日(現地時間)、商用としては世界初となるTizen OS搭載のスマートフォン「Samsung Z」を発表しました。2014年の ”第3四半期” にロシアで発売され、他の市場にも順次投入していくとしています。
サムスンのAndroid端末向けのUIである「TouchWiz」と似たようなホーム画面に、フラットデザインを採用したアプリアイコンが並んでいます。Tizen OS独自のアプリストアである「Tizen Store」がSamsung Zのリリースと共にスタートし、アプリケーションを追加できるようになるとのこと。
気になるスペックは以下のとおり。
画面 | 4.8インチ HD Super AMOLED (1280 x 720) |
搭載OS | Tizen 2.2.1 |
CPU | 2.3GHz クアッドコア(詳細は不明) |
RAM | 2GB |
保存容量 | 本体16GB(micro SD 64GBまで対応) |
カメラ | リア8メガピクセル・フロント2.1メガピクセル |
通信方式 その他規格 |
LTE Cat.4(下り150Mbps/上り50Mbps)対応 WiFi: 802.11 a/b/g/n HT40・MIMO(2×2)対応 GPS/GLONAS Bluetooth 4.0 BLE USB 2.0, NFC, 赤外線ポート |
本体サイズ | 138.2 x 69.8 x 8.5mm |
質量 | 136g |
バッテリー | 2600mAh |
色 | ブラック/ゴールド |
Samsung Zに対しては、 “意外とハイスペックだな” というのが筆者の率直な感想です。特にCPUは(詳細は不明なものの)Android端末のトップモデル並の性能を有しているように見えます。バッテリーもそれなりの容量を搭載しており、HD解像度(真の意味の解像度ではない)の画面に対しては十分といえるのではないでしょうか。
LTEのカテゴリー4(下り最高速度150Mbps)にも対応していることから、発展途上国向けというよりはより先進国の消費者をターゲットにした製品であることが読み取れます。
また、同製品には指紋センサーが搭載されており、プライバシー保護に役立てることができます。このような付加価値的機能を付けることができるのも、ある程度の先進国に向けた製品であるからにほかなりません。
ゴールドとブラックの2色展開(画像はブラック)
これまで “ローエンド・ロープライス” のイメージが強かった「第3(今では第4)のOS」スマートフォンですが、今回のSamsung Zは比較的高いスペックを持っている点が他とは異なります。ロシア以外の販売国に関する言及はありませんが、秋以降に日本国内でも販売されるのではないかという期待もできます。
日本からはNTTドコモがTizen OSの開発に大きく関わっており、製品の投入も明言していました(過去記事)。これまで何度も発売延期が報じられてきたTizenスマートフォンですが、商用製品が登場した2014年、ついにドコモからTizenスマートフォンが登場するのでしょうか。これまでの報道から推測すれば、答えは限りなく「YES」に近いと思われます。
ところで、製品の “ゴール” は「販売開始」ではなく「普及」です。Tizenスマートフォンにおける最大の(大きすぎる)弱点は、利用できるアプリケーションの少なさにあることは誰の目にも明らかです。すでに確固たる地位を築いているAndroidやiOSは100万種類以上、それを追うWindows Phoneも数十万種類を揃えています。
Tizen OSはC/C++またはHTML5(+JavaScript)によるアプリをサポートしているため開発自体は難しくありませんが、これらの豊富なアプリ数に追いつくことはとても容易ではありません。
その弱点を補って余りある魅力を消費者に提示できるのかが、Tizenスマートフォンに課せられた最も難しい課題だと言えます。
[Samsung Mobile Press via すまほん‼]
コメント
コメントを投稿した際には、コメント機能利用規約(ガイドライン)に同意したものとみなされます
主要ニュースサイトなどの「許可サイト」以外のURLを含む投稿はコメントが保留されます