モバイルGPUの進化が留まる所を知りません。
10日(現地時間)、海外メディアGSMArenaが伝えるところによると、英Imagination Technologyが最新世代のGPUファミリーとなる「PowerVR Series7XT」と「PowerVR Series 7XE」を正式に発表した、とのことです。
今回発表された「Series7XT」と「Series7XE」は、共にAndroid 5.0 Lollipopと共にもたらされた「AEP」(Android Extension Pack)をサポートし、仮想化技術やテッセレーション処理、OpenGL ES 3.1にも対応を果たしています。
そのほか、7XTファミリーに関しては、「OpenCL 1.2」と「FP64演算」をフルサポート。そして、Series 6ファミリーと同様、「DirectX 11」への対応オプションも用意されていることが明かされました。
また今回、気になるその性能の一端もが明らかにされました。Imagination曰く、7XTファミリーは現行の6XTファミリーのGPUと比較して、同クロック時において「60%」以上もの性能向上を実現しているとのこと。また、最大構成となる16コア構成時には、その演算処理能力は「1.0TFLOPS」にも達することが明らかに。
以下、今回発表された両ファミリーのGPUスペックです。
「PowerVR Series 7XT」
GPU | シェーダ―・クラスタ数 | ALUコア数 |
PowerVR GT7900 | 16 | 512 |
PowerVR GT7800 | 8 | 256 |
PowerVR GT7600 | 6 | 192 |
PowerVR GT7400 | 4 | 128 |
PowerVR GT7200 | 2 | 64 |
「PowerVR Series 7XE」
GPU | シェーダー・クラスタ数 | ALUコア数 |
PowerVR GE7800 | 1 | 32 |
PowerVR GE7400 | 0.5 | 16 |
「7XT」ファミリーは、主にスマートTVや車載コンピュータなどの、デスクトップPCクラスの性能を要求するシステムやフラッグシップ級の各種デバイスへ搭載を見込んだパフォーマンス重視のGPUとなる一方、「7XE」ファミリーは電力効率を最重視したGPUとなります。
さておき、この最新GPUファミリーは「2015年後半から2016年上旬」にも実際の製品とともに登場する見込みとのことですので、米アップルの次期Aシリーズや、韓国サムスンの次期ExynosシリーズなどのSoCに搭載される可能性は、極めて濃厚と言えるでしょう。
いよいよモバイルデバイス向けGPUも「1.0TFLOPS」を超える性能を有する時代に突入するのかと思うと、何とも感慨深くなってしまいます。実際の製品の登場が、実に待ち遠しい限りです。
[GSMArena]
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