不倶戴天のライバルである米NVIDIAが「Tegra X1」の正式発表により世界中のガジェットファンの耳目を集めた一方で、「FreeSync」テクノロジーを搭載したディスプレイを幾つか発表した程度の印象しか残さずにCES 2015の終幕を迎えた米AMD。
しかし今回、海外メディアWCCF Techが伝えるところによると、AMDは来月22日よりサンフランシスコにて開催されるISSCC 2015にて、同社最新APUとなる「Carrizo」と「Carrizo-L」の詳細を発表する計画であることが明らかにされました。
CES 2015においてその詳細な情報が開示されることが期待されていたCarrizoとCarrizo-Lでしたが、今回AMDは、Carrizoを搭載する試作機ノートPCをデモ展示するだけに留めました。WCCF Tech曰く、そのデモ展示機を撮影することすらも、一切許されなかったとのことです。
そうしてほとんど詳細が語られることのない中、今回唯一明らかにされたのは、このCarrizoが「H.265」コーデックに対応し、4K解像度のH.265ビデオを快適に再生できるだけの能力を保有しているということのみ。下の画像も、AMDによって後ほど各メディア向けに送付されたものだそうです。
Kaveri | Carrizo-L | Carrizo | |
x86アーキテクチャ | Steamroller | Puma+ | Excavator |
コア数 | 2~4 | ← | ← |
GPU | 2nd GCN Sea Islands | ← | 3rd GCN Volcanic Islands |
GPUコア数 | 512sp | 128sp(?) | 512sp |
チップセット | A88X/A78/Bolton FCH | SoC | ← |
ソケット | FM2+ / BGA | BGA | ← |
メモリ | DDR3 | ← | ← |
TDP | 17 / 19 / 35W | 10 / 25W | 15~35W / 45~65W |
HSA対応 | ○ | × | 「HSA 1.0」フルサポート |
ノートPC向けAPUのスペック比較表
AMDの「Bulldozer」アーキテクチャの到達点にして最終形となる「Excavator」は、Kaveriに採用されるSteamrollerと比較してIPCと電力消費効率の大幅な向上が公式に謳われています。そのほかCarrizoは、AMDの提唱する新たなプログラミング・処理実行フレームワーク「HSA 1.0」に完全対応を果たしている点を、その大きな特徴とします。
なお、噂ではAMDは「Carrizo-D」なるデスクトップ向けのチップも用意しているとされていましたが、残念ながら今回彼らがデスクトップ向けのプラットフォームに関して言及することは一切なかったとのこと。
さておき、後ろへと後ろへとずれ込むロートマップにすっかり慣らされてしまったいちAMDファンとしては、Carrizoの詳細が明らかにされる具体的な日程が提示されただけで、思わずテンションが上がってしまいます。来月後半に開催されるISSCC 2015に照準を合わせつつ、続報を待ちたいと思います。
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