WCCF Techは15日(現地時間)、台湾TSMC最新の半導体製造プロセスとなる16nm FinFETプロセスの大量生産の開始時期が、2016年以降へとずれ込む可能性が高いことを伝えています。
当初は2015年第1四半期と宣言されていた大量生産開始の時期も、既に第2四半期後半から第3四半期へと後方修正されていたことが、多くの情報筋が指摘するところにより明らかとなっていました。
しかし今回、その計画が更に3~6ヶ月ほどの遅れを見せることになる模様です。最新のスケジュールにおいては、2015年下半期は本格的な生産段階へ移行するための準備期間に充てられ、実際に大量生産が開始されるのは2016年以降のことになるとのこと。
また興味深いのは、今回の大幅な計画の遅延を受けて、米Qualcommは将来の自社製品への16nm FinFETプロセスの採用をキャンセルし、サムスンの14nm FinFETプロセスを使用する戦略へと舵を切ったという情報の存在です。仮にこれが事実であるとするならば、2015年には現在の半導体業界の勢力図が一気に塗り替えられることになるかもしれません。
というのも、昨年の12月上旬、既にサムスンは14nm FinFETプロセスの製造を開始したことを公式に宣言しています(過去記事)。
さらに、TSMCとしのぎを削る米GlobalFoundriesも、先日サムスンとの間に形成された技術共有を含む戦略的なパートナーシップのおかげもあり、今四半期中にも14nm FinFETプロセスの製造を開始する見込みとのこと。
つまり、もし今回伝えられた情報を全て信じるならば、14nmプロセスは ”ほぼ丸々1年” も16nmプロセスの登場に先駆けることとなります。どうやら2015年は、TSMCと彼らの最新プロセスを心待ちにしていたメーカーにとっては、苦難に満ちた年となりそうです。
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