Fudzillaは6日(現地時間)、台湾MediaTekが、MWC 2015において「Cortex A72」を採用した世界初となるモバイルデバイス向けSoC「MT8173」を発表したことを伝えています。
Cortex A72は、英ARMの次世代ハイエンドCPUアーキテクチャとして先日発表されており、2016年中の採用製品登場が予告されていました(過去記事)。
以前の発表では、Cortex A72は台湾TSMCの16nm FinFETプロセスを使用して製造されるとのことでしたが、どうやら今回MediaTekは、MT8173の製造に28nmプロセスを採用した模様。これによりコストカットを図ると同時に、いち早いCortex A72の搭載を可能にした、といったところでしょうか。
以下は、MT8173の主なスペック。
CPUコア | Cortex A72 × 2 + Cortex A53 × 2 (big.LITTLE構造) |
CPUクロック | 最大 2.4GHz |
GPUコア | PowerVR GX6250 |
GPUクロック | 不明 |
最大対応画面解像度 | WQHD(2560×1600)@60fps |
最大対応カメラ解像度 | 2,000万画素 |
製造プロセス | 28nm |
MediaTekの発表によると、このMT8173は ”ミッドレンジ級タブレット向け” に設計されたチップとのことで、そのCPU性能は2013年に市場に投入されたMT8125の「最大6倍」にも達するとのこと。また、メインメモリ周りのパフォーマンスを「30%」向上させているほか、120Hzの画面リフレッシュレートに対応するディスプレイをもサポートします(※WQHDよりも低い解像度に限る)。
なお、気になる登場時期ですが、今年の中頃にも市場へと投入される予定であることが明言されており、当初の大方の想定よりも、かなり早いタイミングでCortex A72搭載製品が市場に出回ることになりそうです。
既に、米Qualcommも独自設計のCPUコア「Kyro」を搭載する次世代フラッグシップSoC「Snapdragon 820」を発表しているほか(過去記事)、先日には最新の14nm FinFETプロセスで製造された「Exynos 7420」もサムスンによって市場へと投入されました(過去記事)。
ますます熾烈さを極めようとするSoCの性能競争から、しばらくは目が離せそうにありません。
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